らいてぃん・とぅないと

主に眠れない夜に、筆は進む。

19年プロ野球キャンプ前考察:阪神編

前回はソフトバンクに関しての記事を書いたが、今回は阪神について書かせていただく。去年は金本監督の三年目のシーズンで、本人もかなり自信を持って臨んだがまさかの最下位だった。そこから逆襲する為の鍵となるポイントについて考える。

○去年のドラフトから現存選手に感じて欲しい事
去年のドラフトでの阪神の一位指名の仕方はかなり話題になった。というのも、高卒外野手→大卒外野手→社会人外野手と立て続けに外野手を指名したからであるが、これは明らかに矢野監督が「阪神の最大の弱点は外野だ」と自覚していると考えられる。実際外野が最大の弱点且つ今年最大のキーとなるのは間違いないだろう。
去年の外野手の陣容は、37歳の糸井選手、41歳の福留選手という大ベテラン二人以外はかなり流動的という、ただでさえ一枠空いているのにいつもう一枠空くかわからない状態だった。当たり前だがこのままで良いわけがなく、既に空いている一枠を埋める選手も近いうちに必要になるベテラン二人の後継選手もいち早く用意しなければならない。
ここでベテラン二人以外の外野手を見てみると、一時期の打撃力がどこかに行ってしまった高山、中谷、俊介の三選手や、身体能力は高いがあまりにも三振が多すぎる江越選手、代打だと良いがスタメンだと厳しい隼太選手と、皆「全然ダメ」ではないのだがうーん…という感じだ。
彼らにはあのドラフトの指名の仕方を、「危機感を持ってくれ」という監督のメッセージと思って欲しい。今年はもちろん結果を出さなければならないが、もしなかなか上手くいかなくてもせめて.240台ぐらいで粘って、「まだ我慢してみよう」と思わせることが大事ではなかろうか。さすがに一割台や二割台前半まで落ち込んでしまっては使いようがない。ベテランが元気なうちに次世代のレギュラーとなる選手を育てるのを矢野監督には是非頑張って頂きたい。

○他のポジションについて
内野手
最近、「大山選手を本気で四番として育成する気があるのだろうか?」という疑念が止まらない。というのも、四番に置くのが早すぎると思うのである。たとえば陽川選手ならファームで四番を務めて結果を出した経験があるのでわかるのだが、大山選手はまだ今年でやっと三年目、四番に据えるには下積みが必要な段階にあるように思う。四番は若くても出来るが下積みナシでは絶対出来ない、というのは他球団の若い四番を見ればよくわかる。一軍で使うとしても少なくとも二ヶ月ぐらいは様子を見て、その期間中きっちり結果を出せたらやっと四番に据える、ぐらいが良いのではなかろうか。

・捕手
梅野選手が正捕手として大分形になってきたが、あとは「後輩の見本になる」ぐらいのレベルまで達して欲しいところ。これを目指すのに一番欲しくなるのが、培ってきたものを現役で見本としてプレーで見せられる「正捕手に匹敵するレベルの中堅、ベテラン層の第二捕手(たとえば広島の石原選手、ソフトバンクの高谷選手、西武にいた時の炭谷選手のような)」なのだが、生憎今の阪神にいないので、ここは元名捕手の矢野監督の仕事になるのかなと。

・先発
西、ガルシア両選手の補強は大きいが、一方で今年から日本人扱いとなるメッセンジャー選手の状態が心配でもある。長らく阪神投手陣を引っ張ってきたが、年齢を重ねてきたのもあり去年の最後の方はかなりフラフラで勝ち星を挙げられなかった。それゆえ、今年のローテを「西、ガルシア、メッセンジャーの三選手に残り三選手」と考えるよりは「西、ガルシアの二選手に残り四選手」と考えておくべきだろう。その残り四選手の枠に入るのが濃厚な岩貞、小野両選手には今年は勝ち越しを期待したいところ。勝利数は共に7だったが敗戦数も多かったので…。

・中継ぎ
先発から転向した能見選手の奮起もあり去年もストロングポイントだった。とはいえ能見選手も大分年齢が高いので、依存せざるを得ない状況にだけしないよう、若手選手にしっかり後継を狙って貰いたい。

去年は二軍は優勝した。その二軍を率いたのが矢野監督ということもあり期待はとても高いだろう。最下位からどこまで順位を上げられるか、楽しみである。