らいてぃん・とぅないと

主に眠れない夜に、筆は進む。

19年プロ野球キャンプ前考察:ソフトバンク編

前回中日についてのキャンプ前考察をして、残すところ四球団。今回はソフトバンクについて考察していく。日本一には二連続でなっているものの、リーグ優勝を連続でというのになかなか苦戦している。それを打開するキーになるポジションを考えたい。

○覇者が補強を試みた二つのポジション
キーポジションの話をする前に―FA関連のニュースが出だした頃、ソフトバンクは浅村選手と西選手の両取りに動いた。当時やけに「どうせソフトバンクが両取りを決める」みたいな風潮があったが、そう簡単に言ってしまう人達は過激な言い方をすると過去のFAを全く見てないニワカだ。契約金額は会社員で言うところの給料であるから当然大事ではあるが、移籍先の決定には他にも様々な要点があるのだ。
今回のソフトバンクの場合は、金銭とは別の要点のうちの「立地面」においてとてつもない不利を被ったのがFA戦線の敗因と考えられる。実は過去のソフトバンクへのFA国内移籍選手はほとんどが九州出身なのだ(内川、中田賢両選手など)。九州の選手なら地元帰還を狙えて大いに有利だが、そうでないといきなり拠点が物凄く西になってしまう。これが移籍選手(特に妻子持ちの選手)にとってはとてもハードルが高いのである。
話を戻す。FA獲得の目的はやはり「現時点で不安が大きいポジションを補強すること」であるから、去年のFA選手の中で浅村、西の二選手に目をつけたということは、二塁と先発に不安を感じていることがよくわかる。実際、この二つのポジションは今年も含めた今後のキーポイントとなるのは間違いないだろう。
まず二塁。直近三年のスタメンを見ると去年引退した本多選手と、年齢が30代半ばの川島、明石両選手が主に担当していて、そろそろ若返りを考えなければならない時期に来ているのがよくわかる。去年牧原選手がようやく形になってきた感じだったので、あとは前任のベテランが引退しきるまでに出てこられるかどうかだ。去年は打率は良かったが四球を選ぶ能力がもう少し欲しいなと感じた。その点を含めて今年のレベルアップ(最低でも逆戻りしないよう)に期待したい。
続いて先発。世代交代はある程度進んできたと思うが、去年のローテを見ていると「サファテ選手が抜けていたからこそ出来たローテ」という気がしてくる。というのも、バンデンハーク、ミランダ両選手の重要性がかなり高いのだ。しかし今年は外国人枠を先発二人に割くことが出来るかわからない(中継ぎや野手も使いたくなりそうな外国人選手が多い)。去年少し出てきた大竹、高橋礼の二選手の更なる進化に加え、もう少し新戦力が出てくるのが望ましいだろう。特に高橋純選手や正義選手は今年ちょっとでも結果を出して貰わないと困る。まずは一軍で何度か試してみようと監督に思わせることから始めて欲しい。

○他のポジション考察
・外野手
柳田選手の貢献度の高さは本当に凄すぎる。だからこそ、怪我にだけは注意して欲しい。貢献度の高さゆえ、怪我すると穴の埋めようがなくなってしまう。

内野手
二塁以外では、三塁が気になる。松田宣選手がけっこう年齢を重ねており、グラシアル選手も枠の都合で出られるかわからない為、もう一人用意しておきたい。期待しているのは広島から移籍した美間選手。二軍ではこれまで結果を出してきただけに、そろそろ一軍で活躍するところを見たい。

・捕手
最近、拓也選手がかなりもてはやされているが、私は、過大評価とまでは言わないけれども、肩以外にストロングポイントをもう一つ作って欲しいと思っている。特に今年は先発(とマシンガン気味の中継ぎ)が課題になりそうなのもあり、投手を支える面を頑張っていただければ。

・中継ぎ
層はとても厚いのだが、如何せん起用がマシンガン継投なのが気になる。怪我のリスクが高まるのもあるし、それでなくともより多くの投手が必要になってくる。加えて寺原選手と五十嵐選手が去年で退団したが、残った去年の中継ぎメンバーはどこまで持ちこたえられるだろうか。また、新戦力がそこに割って入れるだろうか。先発、二塁の次に注目していきたい。

去年も2016年も、ほとんどの人が優勝予想する中での二位だった。今年以降はそうならないようにして悲願のリーグ連覇を成し遂げて欲しいところだ。