らいてぃん・とぅないと

主に眠れない夜に、筆は進む。

19年プロ野球キャンプ前考察:西武編

前回は阪神に関する記事を書き、キャンプ前考察も残すところ両リーグ一球団ずつとなった。今回はパ・リーグのトリとして西武に関して書いていこう。

○「よく優勝出来たなぁ」とさえ思える西武の投手能力
去年の西武は見事優勝を果たした。その理由は何といっても打線の強力さだろう。「九番の金子侑選手の打席以外ではどこでも点が入る」と言われるほどの得点力はまさに「山賊」の名の通りのパワフルさだった。オアシスみたいな言われ方をしてはいるが金子侑選手も他選手の打点のアシストに大いに絡んでいるので隙がなかったものである。
一方で投手力はというと、まさかなのかやっぱりなのか、パ・リーグ六球団で堂々の最下位である。読売の菅野選手より多い16勝を上げた多和田選手でも防御率が3.81(菅野選手は2.16)と最多勝にあるまじき高さで、いかにチームが「打力依存」であるかがよくわかる。そのツケが回ったのが去年のCSで、打線があまり機能しなくなった途端に思うように勝てなくなり、日本シリーズへの切符を逃してしまった。
この事から、浅村選手と炭谷選手を放出しているがやはりポイントは投手という結論がスっと出る(というか、打線の要の浅村選手と代表捕手経験が豊富な炭谷選手が抜けたからこそポイントは投手、とも言えるかもしれない)。これは仮に菊池選手がメジャー挑戦をしていなくても言えていたことだろう。ストロングポイントが弱体化する心配よりもまず強烈なウィークポイントをどうにかする必要がある。
これは春季キャンプ前だからこそ言いたい事なのだが、春季キャンプは主力の調整と、それだけでなく「去年の成績などから主戦力候補を発掘し、開幕からしっかり最後まで戦える選手に育成する」という目的もある。そしてこれは毎年やることである。それなのに何故先発も中継ぎも途中補強の選手(具体的には榎田、マーティン、ヒースの三選手)にことごとく負けるのか、いくら上手い途中補強をしたとしてもそんなことがあってはならない、というか本来、途中補強をしなくて良いぐらいの出来が欲しいところなのである。
今年の投手目標は少なくとも防御率リーグ上位だと考えている。やはり日本一になる為には、投手部門でリーグ下位にいるわけにはいかない。これを西武に所属する全ての投手がしっかり意識して頑張って欲しい。

○他のポジションについて
・外野手
今年は特に言うことはない気がするが、強いて言うなら秋山選手がメジャー挑戦する可能性があるので、後継のことを早めに考えておくのは良いと思う。最悪外国人補強で何とかしにかかるという手もあるだろうけれども。

内野手
浅村選手が抜けたが、「二→外崎選手、三→中村選手、D→メヒア選手」と配置して、それぞれがしっかり実力を発揮出来れば十分カバー出来ると思う(これは「来期外国人考察:パ・リーグ編」でも書いている)。ただ去年はメヒア選手がかなり不調だったのでそこは心配である。保険の外国人選手を獲得しておくのも手かもしれない。

・捕手
今年は去年以上に森選手に色々な責任がかかる。経験豊富な炭谷選手の補助ナシで正捕手として投手やチームを引っ張っていくことになる。投手が良ければ少しは楽なのだが、如何せん上記の惨状であるからなかなか一筋縄ではいかないと思う。もう一人の捕手岡田選手とも力を合わせて今年は打力以外の面でも更なるレベルアップをして欲しい。

○おまけ
内海選手が「二桁勝利と規定到達を目指したい」と話していたが、是非目指して欲しいと思う反面、もう37歳で且つ負ってきた怪我も少なくない以上あまり無理し過ぎないで欲しいという気持ちもある。実際少し前に登板中に足をつったりしていたので、選手層の都合で期待する気持ちはわかるが、首脳陣にはどうか最大限力を発揮出来る限界というのを見極めながら起用して頂きたい。